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任意売却とは?

ローンに苦しむ方を助ける「任意売却」について

長引く不況の中、住宅ローンの返済に苦慮し、悩まれている方が大変増えています。住宅ローンの返済に行きづまって滞納を重ねてしまった場合、電話・ハガキ・督促状・催告書・最終通知などが送られてきます。もしそのまま何もしないでいると、抵当に入れた不動産が差し押さえになってしまい、競売にかけられてしまいかねません。

お住まいが競売処分されてしまうと、強制的に処分されたうえ、残った債務の支払いにも苦しめ続けられることになります。
そんなときの解決策のひとつが「任意売却」です。任意売却は、競売という強制的処分が下される前に、債権者(金融機関)との合意にもとづき、住宅ローンが残っている住宅を自らの意思で(=任意で)売却し、スムーズに生活再建していくための方法です。

任意売却の流れ

任意売却は、次のような流れで進められます。

①不動産の媒介契約締結
任意売却をすると決めたら、物件の販売活動を始めるにあたり、当社とお客様の間で「専任媒介契約」を結びます。

②販売活動開始
レインズ(不動産業者の指定流通機構)への登録・不動産情報ポータルサイトへの掲載など、お客様のご要望に合わせた宣伝活動をいたします。

③債権者との交渉・合意
抵当権を抹消するための交渉、差し押さえの取り下げ、「配分表」の作成をします。

④残債務の返済方法の決定
無理のない返済計画で和解してもらえるよう、債権者と交渉をします。

⑤所有権移転・物件の引き渡し・債務者の引越し
ローンが残っている状態で引越し費用を捻出するのは大変なもの。できる限り、債権者から費用を捻出してもらえるよう交渉します。

⑥住宅ローンからの解放・再出発
新生活のスタートです。

⑦その後
任意売却を行ってすぐには、住宅ローンを組むことができなくなります。
しかし、遅くとも10年以内には新しく住宅ローンを組むことも可能になりますので、ご安心ください。

※住宅ローンの融資を受けている金融機関やお客様ごとに多少の相違があります。

任意売却のメリット

任意売却のメリットは、次の通りです。

①相場に近い価格で売却できるため、残債を少なく圧縮できる
任意売却では、物件の所有者(債務者)・担保権者・買い主の3者が話し合い、納得して売却を進めていきます。そのため、競売による強制的な処分よりも高い値段で売却することが可能になります。

②交渉により、少しずつ無理のない返済ができる
任意売却を行った後の債務者には、もう担保の抵当権はありません。
また、債務者は「今後支払い続ける資力がない」ということを承知しているはずですので、収入状況や生活状況を十分に考慮した、現実的な返済方法に納得してもらえる可能性が高くなります。

③持ち出し金が必要ない
不動産を売却する際に支払わなければならない次のような費用も、任意売却では債権者に支払ってもらえます。
・滞納分の固定資産税や住民税の一定額
・滞納分の管理費や修繕積立金(マンションの場合)
・抵当権抹消費用
・抵当権の解除による書類代
・不動産会社への仲介手数料

④近所に事情を知られることがない
競売の場合、チラシや新聞・インターネットに物件情報が掲載され、ご近所や周りの方に競売にかかったことが知れ渡ってしまいます。
しかし任意売却の場合は通常の不動産売却とあまり変わらないため、周囲の方に経済的状況が知れ渡ることはありません。

⑤その他
・退去日など、ある程度希望を通せる
・秘密厳守で対応してもらえる
・引越し費用(引越代)の捻出ができる

競売とは

不動産競売とは、債務者から債権の返済を受けられなくなった債権者が、不動産などを裁判所の管理下で強制的に売却し、その売却代金から債務の支払いを受ける手続きです。
主に次のようなケースで利用されます。

・住宅ローンが返済できなくなったとき
・不動産(自宅、事務所、社屋など)を担保にして借りたお金を返せなくなったとき

借りたローンを返せなくなるということは、貸した側である銀行や信用金庫などは、貸したお金を回収できなくなります。
そこで貸した相手が持っている不動産を売って、その代金をローンの返済に充てるという方法を取っているのです。

競売の流れ

①住宅ローンの滞納
1ヶ月ローンの支払いを滞納してしまうと督促状が送られてきます。

②債権者からの呼び出し、その後の支払いについての相談
約2ヶ月間ローンの返済を遅延すると、債権者から呼び出され、返済についての話し合いが行われます。

③競売手続きの開始
債務者が提案に応じない場合、債権者がローン保証会社に代位弁済を要求します。この要求以降は、保証会社から全額一括の返済を求められるようになります。
また、債権や担保物権といった権利が求償権の範囲で保証会社に移転し、完全なる「不良債権」として扱われます。
また、個人信用情報に事故(通称:ブラック)としての記録が残され、これ以後金融機関などからの借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。

④差し押さえ
差し押さえとは、担保権実行のための手段のひとつです。債権者が競売開始を申し立てた時点で、不動産に設定される登記(名義)のことをいいます。
以後、不動産の所有者は不動産を自由に処分することができなくなります。

⑤競売
不良債権となった債務の最終処理の手段です。

⑥立ち退き・引越し
競売落札者との金銭的な話し合いに応じて物件を引き渡しても、あるいは話し合いに応じず立ち退きを拒んでも、いずれは立ち退かざるを得なくなります。なぜなら、その不動産を専有しつづける正当な権限がないからです。

※住宅ローンの融資を受けている金融機関やお客様ごとに多少の相違があります。

競売のデメリット

競売には次のようなデメリットがありますから、可能なかぎり早めに判断し、任意売却を検討し始めた方が良いでしょう。

①市場価格より大幅に安い価格でしか売れない
不動産相場とは関係なく、売却価格は市場価格の6~7割に設定されてしまいます。

②家を失っても、なお多くの残債が残る
通常価格より安い価格でしか売れないので、多くの債務が残ったままになります。

③競売物件として新聞やチラシで公開され、近所に経済的状況を知られてしまう
チラシや新聞・インターネットなどに物件を掲載するため、近所の方々に経済的な状況を知られてしまいます。

④落札者の都合で立ち退きを迫られ、立ち退き料などはもらえない
ローンを支払えないほど苦しい状況にもかかわらず、引越し代金などをすべて自分で支払うことになります。

⑤その他
・残債務に関する交渉も自分で行わなければならない
・競売で売却された代金はすべて担保権者への返済に充てられ、残債務の返済方法を交渉できない